石橋を叩いても渡らないかも?: 戦後の昭和から平成のきょうまで

2006年11月12日

戦後の昭和から平成のきょうまで

本当は絵画の道に進みたかったのに、うちの経済状態では大学進学もままならず、のちに社会人になってからもしばらくは趣味で続けるしかなかった。

そうはいっても瀬戸内の小さな一地方都市に若い私たちにとってこれといったサークルもなく、それがいつのまにか夢を持った者たちが互いの共通点もないのに集い、やがて小さな群れとなった。それはバイク仲間であったり、音楽や絵画を目指す卵たちだったのに。今にして思えばその不思議なつながりは「若者」という立場が互いに共通するキーワードだったのだと思う。

集えば熱く語ったし、拙い知識や情報も自分たちにはとても貴重なものだった。同じ頃、進学した友は大学紛争の渦に巻き込まれ、石を投げ合っていたことなどその時は知るよしもなかった。同じ時代を同じ時間に生きているのにそれはわたしにとって遠い世界の話だった。

やがて上京し、プレスという道を選んだばかりに、好むと好まざるとに関わらず、社会に目を向けて生きていくことが生活手段となった。それも冷ややかな目で。親の庇護のもとで革命を叫んでいるヘルメット姿の昔の同級生たち。カメラのファインダーに写る彼らの姿はわたしにとってただの群れ(被写体)でしかなかった。

あれから何十年、皆、何ごともなかったように、ある者は役所に、ある者は教師となり、同じように歳を重ねて生きている。その禿げ上がった後頭部と年老いた後ろ姿を見るにつけ、あれも遠い幻だったのかと時の流れは全てを記憶の片隅に追いやる。

様々な彩りを織りなす過去の日本の歩みも、わたしの屈折した心のプリズムには一筋の無色の光でしかない。
きょうのことも何十年か後に色がついて見えるのだろうか。

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posted by ゲゲゲのイチロー at 01:15 | Comment(1) | TrackBack(3) | 社会
この記事へのコメント
初めまして unaさんのブログからお邪魔しました 12日読ませていただいて同世代かなみたいな感じがしてコメントさせていただきました ブログは素人です これからもいろいろ考えの基をいただきたいと思います よろしくお願いします
Posted by jun at 2006年11月14日 10:07
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